適用先 SUSE Linux Enterprise Desktop 12

2 デスクトップの使用

ではデスクトップの使用を開始しましょう。この章では、アプリケーションの起動方法、ファイルの管理と検索、およびCDへのデータの書き込み方法について説明します。GNOMEの電源管理の概念や、デスクトップで通常のタスクを実行する方法を理解できるようになります。

2.1 Nautilusを使ったディレクトリとファイルの管理

ディレクトリおよびドキュメントの作成(または表示)、スクリプトの実行、およびデータCDの作成には、Nautilusファイルマネージャを使用します。さらに、ファイルマネージャはWebとファイルの表示をサポートします。

ファイルマネージャは、次の方法で開くことができます。

  • Applications (アプリケーション) › Accessories (アクセサリ) › Files (ファイル)の順にクリックする。

  • デスクトップのホームディレクトリアイコンをダブルクリックする。

  • マウスカーソルを画面の左上隅に合わせて[Actvities Overview (アクティビティ画面)]を有効にし、検索バーに「nautilus」と入力します。

ファイルマネージャ
図 2.1 ファイルマネージャ

Nautilusウィンドウの要素には、次の内容が含まれています。

メニュー.  ファイルマネージャではほとんどのタスクを実行できます。ファイルマネージャウィンドウ内で右クリックして、状況に依存したポップアップメニューを表示することもできます。このメニュー内の項目は右クリックした場所によって変わります。たとえば、ファイルまたはディレクトリを右クリックすると、そのファイルやディレクトリに関連する項目を選択できます。ビューペインのバックグラウンドで右クリックすると、ビューペイン内の項目の表示に関連する項目を選択できます。

ツールバー.  ファイルやディレクトリを素早く探してアクセスできます。ツールバーには、[Back (戻る)]、[Forward (進む)]、[Up (上へ)]、[Stop (停止)]、[Reload (再ロード)]、[Home (ホーム)]、[Computer (コンピュータ)]、および[Search (検索)]の各ボタンがあります。

ロケーションバー.  ロケーションバーには、ファイルシステム内の現在の場所が表示されます。各ディレクトリはボタンとして表示されます。ボタンを押すとその場所に移動します。

サイドペイン.  選択されたファイルまたはディレクトリへの移動や選択したファイルまたはディレクトリに関する情報を表示できます。ペインへの表示項目をカスタマイズするには、ドロップダウンボックスを使用します。リストには、ファイルに関する情報の表示方法、ファイルに関する操作の実行方法、ファイルへのエンブレムの追加方法、最近訪問したサイトの履歴の表示方法、ツリーでのファイルの表示方法が含まれています。サイドペインの表示/非表示を切り替えるには、F9を押します。

参照ペイン.  ディレクトリとファイルを表示します。ウィンドウの右上にあるアイコンを使用して、リスト表示とグリッドアイコン表示を切り替えます。これらのアイコンの右側にあるメニューを使用すると、さらに細かく表示をカスタマイズできます。

2.1.1 ファイルマネージャナビゲーションショートカット

ファイルマネージャ内を移動するために、次のような簡単なキーの組み合わせが用意されています。

表 2.1 ファイルマネージャのナビゲーションのキーの組み合わせ

キーの組み合わせ

説明

Alt

親ディレクトリを開きます。

矢印キー

項目を選択します。

AltまたはEnter

項目を開きます。

AltEnter

項目のプロパティダイアログを開きます。

ShiftAlt

項目を開いて、カレントディレクトリを閉じます。

ShiftAlt

親ディレクトリを開いて、カレントディレクトリを閉じます。

ShiftCtrlW

すべての親ディレクトリを閉じます。

CtrlL

ロケーションバーのビューを、ボタンビューからテキストベースのビューに切り替えます。

AltHome

ホームディレクトリを開きます。

2.1.2 CDまたはDVDの作成

システムにCDまたはDVDの読み込み/書き込みドライブがある場合は、Nautilusファイルマネージャを使用して、CDやDVDを作成できます。

  1. コンピュータ › 他のアプリケーション › システム › CD/DVDクリエータの順にクリックするか、空のディスクを挿入して、データCD/DVDの作成またはオーディオCD/DVDの作成をクリックします。

  2. ディスクに保存したいファイルをNautilus CD/DVDクリエータウィンドウにドラッグアンドドロップします。

  3. ディスクへの書き込みをクリックします。

  4. ディスクへの書き込みダイアログの情報を修正するか、デフォルトのままで、書き込みをクリックします。

    ファイルがディスクに書き込まれます。書き込むデータ量や、ドライブの書き込み速度によっては、処理が完了するまで数分間かかることもあります。

ISOイメージの書き込みを行うには、NautilusでISOイメージファイルを右クリックし、ディスクへの書き込みを選択します。ディスクへの書き込みダイアログの情報を修正するか、デフォルトのままで、書き込みをクリックします。

データ書き込み用のアプリケーションであるBraseroを使用して、CDまたはDVDへの書き込みを行うこともできます。詳細については、第20章 Brasero:CDとDVDの書き込みを参照してください。

2.1.3 ファイルマネージャの初期設定

ファイルマネージャの初期設定を変更するには、歯車アイコンのメニューをクリックしてPreferences (初期設定)を選択します。

2.1.4 リモートファイルへのアクセス

Nautilusを使用してリモートサーバ上のファイルにアクセスすることができます。詳細については、第5章 ネットワークリソースへのアクセスを参照してください。

2.2 リムーバブルメディアへのアクセス

CD/DVDまたはUSBストレージデバイスにアクセスするには、メディアを挿入します。メディアのアイコンがデスクトップ上に自動的に作成されます。多くの場合、リムーバブルメディアをコンピュータに挿入するか接続すると、ファイルマネージャウィンドウが自動的に表示されます。ファイルマネージャが開かない場合は、そのドライブのアイコンをダブルクリックして、内容を表示してください。

警告
警告: マウント解除によるデータ損失防止

ディスクの使用後は、ドライブからディスクを安易に取り出さないでください。リムーバブルメディアは、常に、最初にシステムからマウント解除する必要があります。メディアにアクセス中のすべてのアプリケーションを終了し、メディアのアイコンを右クリックして、メニューから取り出しまたはマウント解除を選択します。デバイスアイコンが消えるかトレイが開いたら、メディアを安全に取り出します。

2.3 ファイルの検索

ファイルを検索するには、画面の左上隅にマウスポインタを移動して[Activities Overview (アクティビティ画面)]を有効にし、検索語句を入力します。

2.4 アプリケーション間のテキストの移動

アプリケーション間でテキストをコピーするには、テキストを選択して、貼り付けたい場所までマウスカーソルを移動します。マウスの中央のボタンまたはスクロールホイールをクリックしてテキストを貼り付けます。

プログラム間で情報をコピーする場合、ソースプログラムを開いたままにしてテキストを貼り付け、その後プログラムを閉じます。プログラムが終了すると、そのアプリケーションからコピーしたクリップボードにある内容が失われます。

2.5 インターネット接続の管理

インターネットを参照したり、電子メールを送受信するには、YaSTを使ってインターネット接続を設定する必要があります。ご利用の環境に合わせて、YaSTでNetworkManagerを使用するかどうかを選択します。GNOMEでは、項 「ネットワーク接続の設定」, 第22章 NetworkManagerの使用, 管理ガイドに記載されている方法でNetworkManagerとのインターネット接続を確立できます。

NetworkManagerを使用するかどうかの判断基準については、項 「NetworkManagerの使用」, 第22章 NetworkManagerの使用, 管理ガイドを参照してください。

2.6 インターネットの探索

GNOMEデスクトップには、Mozilla*ベースのFirefoxブラウザが含まれています。Applications (アプリケーション) › Internet (インターネット) › Firefoxの順にクリックすると、このブラウザを起動できます。

別のWebブラウザと同じように、上にあるロケーションバーにアドレスを入力するか、ページにあるリンクをクリックして、別のページに移動できます。

詳細については、第16章 Firefox:Webの閲覧を参照してください。

2.7 電子メールとスケジューリング

SUSE Linux Enterprise Desktopは、メールやイベントを参照、管理するために、個人情報の保管、整理、検索を簡単に行えるグループウェアプログラムであるEvolutionを提供します。

Evolutionでは、電子メール、カレンダ、アドレス帳、メモ帳、およびタスクリストが単一の使いやすいアプリケーションにシームレスに統合されています。通信とデータ交換のさまざまな規格に幅広く対応しているため、EvolutionはMicrosoft* Exchangeを含めた、既存の社内ネットワークやアプリケーションと連携することができます。

Evolutionを起動するには、Applications (アプリケーション) › Internet (インターネット) › Evolutionの順にクリックします。

初めてEvolutionを起動すると、メールアカウントをセットアップして、古いメールクライアントからのメールのインポートをサポートする質問に回答するよう求められます。次に、新着メールの件数や今後の予定とタスクが表示されます。カレンダ、アドレス帳、メールツールは左のショートカットバーから使用できます。

詳細については、第12章 Evolution:電子メールとカレンダ操作を参照してください。

2.8 LibreOfficeでのドキュメントのオープンまたは作成

ドキュメントの作成と編集のために、GNOMEデスクトップと一緒にLibreOfficeがインストールされています。LibreOfficeはすべてが揃ったオフィスツールで、Microsoft Officeファイルを読み込んだり、Microsoft Office形式でファイルを保存したりすることができます。LibreOfficeには、ワードプロセッサ、表計算、データベース、描画ツール、およびプレゼンテーションプログラムが含まれます。

まず、Applications (アプリケーション) › Officeの順にクリックして、開きたいモジュールを選択します。

LibreOfficeにはサンプルドキュメントとテンプレートがいくつか含まれています。テンプレートにアクセスするには、LibreOffice内でファイル › 新規 › テンプレートと文書の順にクリックします。また、レターや他の定型文書の作成の手順を説明するウィザードを使用することができます。

詳細については、LibreOfficeプログラムのヘルプを参照してください。

2.9 デスクトップの電源管理

コンピュータのバッテリの状態を制御するには、GNOMEパネルの右側にあるバッテリアイコンを確認します。アイコンをクリックするとメニューが開き、バッテリの詳しいステータスを参照できます。バッテリの残量が非常に少ない場合など、特定のイベントでは、GNOMEによってイベントに関する通知情報が表示されます。Battery (バッテリ) › Power Settings (電源の設定)の順にクリックして、[Power Settings (電源の設定)]を開きます。[Power Settings (電源の設定)]は、Applications (アプリケーション) › System Tools (システムツール) › Settings (設定) › Power (電源)の順にクリックして開くこともできます。

2.10 アーカイブの作成、表示、および解凍

アーカイブマネージャアプリケーション(ファイルローラとも呼ばれる)を使用して、アーカイブを作成、表示、変更、または展開することができます。アーカイブとは、他の複数のファイルを保管するためのコンテナとして使用するファイルです。アーカイブには多数のファイル、ディレクトリ、サブディレクトリを、通常は圧縮形式で保存することができます。アーカイブマネージャは、ziptar.gztar.bz2lzhrarなどの一般的な形式をサポートしています。アーカイブマネージャを使用して、圧縮された非アーカイブファイルを作成、オープン、および抽出することができます。

アーカイブマネージャを起動するには、Applications (アプリケーション) › Utilities (ユーティリティ) › Archive Manager (アーカイブマネージャ)の順にクリックします。圧縮ファイルがある場合は、Nautilusファイルマネージャ内でファイル名をダブルクリックし、アーカイブマネージャでアーカイブの内容を表示します。

アーカイブマネージャ
図 2.2 アーカイブマネージャ

2.10.1 アーカイブを開く

  1. アーカイブマネージャで、開くをクリックします。

  2. 開きたいアーカイブを選択します。

  3. 開くをクリックします。

    アーカイブマネージャがアーカイブタイプを自動的に判断し、次を表示します。

    • ウィンドウタイトルバーにアーカイブ名。

    • 表示エリア内にアーカイブの内容。

    • ステータスバー内に、アーカイブ内のファイル数と展開後のアーカイブサイズ。

    別のアーカイブを開くには、開くをもう一度クリックします。アーカイブマネージャが新しいウィンドウに各アーカイブを開きます。別のアーカイブを同じウィンドウで開くには、まずウィンドウの右側にあるメニューからClose (閉じる)を選択して現在のアーカイブを閉じてから、開くをクリックする必要があります。

    アーカイブマネージャが認識できない形式で作成されたアーカイブを開こうとすると、アプリケーションによってエラーメッセージが表示されます。

2.10.2 アーカイブ内のファイルの展開

  1. アーカイブマネージャ内で、展開するファイルを選択します。

  2. Extract (展開)をクリックします。

  3. アーカイブマネージャによってファイルを展開するディレクトリを指定します。

  4. 次の展開オプションから選択します。

    オプション

    説明

    すべてのファイル

    アーカイブ内のすべてのファイルを展開します。

    Selected files (選択したファイル)

    選択したファイルをアーカイブから展開します。

    ファイル

    指定したパターンに一致するすべてのファイルをアーカイブから展開します。

    Keep directory structure (ディレクトリ構造を保持)

    指定したファイルの展開時にディレクトリ構造を作成し直します。

    たとえば、ファイル名テキストボックスで、/tmpを指定し、すべてのファイルの展開を選択したとします。アーカイブにはdocという名前のサブフォルダが含まれます。Keep directory structure (ディレクトリ構造を保持)オプションを選択すると、アーカイブマネージャはサブディレクトリの内容を/tmp/docに展開します。Keep directory structure (ディレクトリ構造を保持)オプションを選択しなかった場合は、アーカイブマネージャはサブディレクトリを作成しません。代わりに、サブディレクトリ内のファイルを含むアーカイブ内のすべてのファイルを/tmpに展開します。

    Do not overwrite newer files (新しいファイルを上書きしない)

    有効でない場合、アーカイブマネージャは、展開先のディレクトリに指定したファイルと同じ名前のファイルがあれば上書きします。

    このオプションを選択した場合は、展開先のディレクトリに同じ名前のファイルが存在していれば、アーカイブマネージャは指定されたファイルを展開しません。

  5. Extract (展開)をクリックします。

    アーカイブマネージャを開かずに、ファイルマネージャウィンドウでアーカイブファイルを展開するには、ファイルを右クリックしてここで展開を選択します。

    指定したファイルのコピーがアーカイブから展開されます。展開したファイルには、アーカイブに追加された元のファイルと同じ許可と変更日付が付与されます。

    展開によってアーカイブの内容は変更されません。

2.10.3 アーカイブの作成

  1. アーカイブマネージャで、ウィンドウの左上にある白いアイコンをクリックします。

  2. 新しいアーカイブの名前と場所を指定します。

  3. ドロップダウンボックスから、アーカイブのタイプを選択します。

  4. 作成をクリックします。

    アーカイブマネージャは空のアーカイブを作成しますが、ディスクへのアーカイブ書き込みはまだ行いません。アーカイブマネージャは、アーカイブに少なくとも1つのファイルが含まれている場合にのみ新しいアーカイブをディスクに書き込みます。新しいアーカイブを作成して、ファイルを追加する前にアーカイブマネージャを終了した場合、そのアーカイブは削除されます。

  5. 新しいアーカイブにファイルとディレクトリを追加します。

    1. Add Files (ファイルの追加)をクリックして、追加するファイルまたはディレクトリを選択します。

    2. Add (追加)をクリックします。

      アーカイブマネージャがアーカイブ内の現在のディレクトリにファイルを追加します。

2.11 スクリーンショットの取得

[スクリーンショットの取得]ユーティリティで、画面や各アプリケーションウィンドウのスナップショットを取得することができます。Printキーを押してデスクトップ全体のスクリーンショットを取得するか、AltPrintキーを押して現在アクティブなウィンドウまたはダイアログのスクリーンショットを取得します。

スクリーンショットは自動的に~/Picturesディレクトリに保存されます。

また、GIMPを使用して、スクリーンショットを撮ることもできます。GIMPで、ファイル › 作成 › スクリーンショットの順にクリックし、エリアを選択して遅延を選択し、スナップをクリックします。

2.12 PDFファイルの表示

プラットフォーム間で共有したり、印刷する必要があるドキュメントは、PDF(Portable Document Format)ファイルとして保存できます。SUSE Linux Enterprise Desktopには、Evinceドキュメントビューアが付属しています。

Evinceドキュメントビューア
図 2.3 Evinceドキュメントビューア

Evinceを開くには、ファイルマネージャウィンドウ(またはWebサイト)でPDFファイルをダブルクリックするか、AltF2キーを押して「evince」と入力し、<Enter>を押します。

EvinceでPDFファイルを表示するには、歯車アイコンをクリックしてメニューを開いてOpen (開く)を選択し、目的のPDFファイルを見つけてOpen (開く)をクリックします。

このウィンドウの上部にあるナビゲーションアイコン、または左側のパネル内のサムネイルを使って、ドキュメント内を移動します。PDFドキュメントにブックマークが提供されている場合は、ビューアの左側のパネルでアクセスできます。

2.13 指紋リーダの使用

システムに指紋リーダが搭載されている場合、ユーザは指紋リーダに指紋を読み取らせるか、またはパスワードを入力してシステムにログインします。

2.14 ソフトウェアアップデートの取得

インターネットに接続すると、更新アプレットがシステムのソフトウェアアップデートの有無を確認します。パネルのシステムトレイ内の更新アプレットによって更新の存在が通知されるので、ユーザは何度かクリックするればアップデートを簡単にインストールすることができます。アプレットアイコンは、システムで使用可能なアップデートの有無によって色や外観が変わります。

更新サービスアプレットでソフトウェアアップデートをインストールする方法と更新アプレットを設定する方法の詳細については、Section “Keeping the System Up-to-date”, Chapter 6, Installing or Removing Software, Deployment Guideのソフトウェアのインストールと削除に関する章を参照してください。

2.15 詳細情報

この章で説明された基本的なアプリケーションのほかに、GNOMEではたくさんのアプリケーションを実行できます。これらの重要なアプリケーションの詳細については、このマニュアル内の他の部分を参照してください。

GNOMEおよびGNOMEアプリケーションの詳細については、http://www.gnome.orghttp://gnomefiles.orgを参照してください。

バグレポートや機能要求の追加を行うには、http://bugzilla.gnome.orgを参照してください。

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