
このセクションは、システムでXサーバを実行せずに、テキストベースのインストールツールを使用しているシステム管理者や専門家の方を対象にしています。ここでは、YaSTをテキストモードで起動して操作するための基本的な情報を説明しています。
テキストモードのYaSTは、ncursesライブラリを使用して、使いやすい擬似グラフィカルユーザインタフェースを提供します。ncursesライブラリは、デフォルトでインストールされています。YaSTを実行するためのターミナルエミュレータの最小サポートサイズは、80x25文字です。
YaSTをテキストモードで起動すると、YaSTコントロールセンターが表示されます(図 3.1を参照してください)。このメインウィンドウは、以下の3つの主要領域で構成されています。左側のフレームのカテゴリには、さまざまなモジュールがあります。このフレームはYaSTが起動したときにアクティブになり、白い太線でマークされます。アクティブなカテゴリが選択されています。右側のフレームには、アクティブなカテゴリで使用できるモジュールの概要が表示されます。下方のフレームには、および用ボタンがあります。
YaSTコントロールセンターを起動すると、カテゴリが自動的に選択されます。カテゴリを変更するには、<↓>と<↑>を使用します。カテゴリからモジュールを選択するには、<→>で右側のフレームをアクティブにして、<↓>と<↑>を使用してモジュールを選択します。矢印キーを押したままにして、使用可能なモジュールのリストをスクロールします。選択したモジュールがハイライトされます。<Enter>を押してアクティブなモジュールを起動します。
モジュールのさまざまなボタンまたは選択フィールドで、文字がハイライト表示されています(デフォルトは黄色)。そのまま<<Tab>>キーでナビゲートするする代わりに、直接ボタンを選択するには、Alt–強調表示された文字のキーを使用します。Alt–Qを押すか、またはを選択して<Enter>を押して、YaSTコントロールセンターを終了します。
ウィンドウのサイズを変更した場合など、YaSTのダイアログの表示が乱れたり変形したりした場合は、Ctrl–Lを押すとコンテンツを更新し復元できます。
以降のYaSTモジュール内のコントロール要素の説明では、ファンクションキーと<Alt>キーの組み合わせがすべて有効で、別のグローバル機能に割り当てられていないことを前提としています。可能性のある例外事項については、3.2項 「キーの組み合わせの制約」を参照してください。
選択リストを含むボタンおよびフレーム間をナビゲートするには、<<Tab>>キーを使用します。逆の順序でナビゲートするには、Alt–<Tab>またはShift–<Tab>の組み合わせを使用します。
選択リストを含むアクティブフレーム内の個々の要素間をナビゲートするには、矢印キー(<↑>と<↓>)を使用します。フレーム内の個別エントリがその幅を超える場合は、Shift–→またはShift–←を使用して、右または左にスクロールします。代わりにCtrl–EまたはCtrl–Aを使用することもできます。この組み合わせは、コントロールセンターの場合のように、<→>または<←>を使用すると、アクティブフレームまたは現在の選択リストが変更されてしまう場合に使用できます。
[]が付いているボタン(チェックボックス)または()が付いているボタン(ラジオボタン)を選択するには、<Space>キーまたは<Enter>キーを押します。または、Alt–highlighted_letterでラジオボタンおよびチェックボックスを直接選択することもできます。この場合、<Enter>キーによる確認は不要です。<<Tab>>キーで項目にナビゲートする場合は、<Enter>キーを押して、選択したアクションを実行するか、対応するメニュー項目をアクティブにします。
FキーのF1からF12を使用すると、さまざまなボタンの機能をすばやく利用できます。使用可能なファンクションキーの組み合わせ(Fx)は、YaST画面の一番下の行に表示されます。どのファンクションキーが実際にどのボタンにマップされているかは、アクティブになっているYaSTモジュールによります。提供されるボタン(、、、など)は、モジュールごとに異なるからです。F10は、、、、およびの代わりに使用します。F1を押して、YaSTヘルプにアクセスします。
一部のYaSTモジュールでは、ウィンドウの左部分にあるナビゲーションツリーを使用して、設定ダイアログを選択します。矢印キー(<↑>と<↓>)を使用して、ツリー内を移動します。Spaceを使用して、ツリー項目を開閉します。ncursesモードでは、ナビゲーションツリーでの選択後、選択したダイアログを表示するには<Enter>を押す必要があります。これは意図的な動作であり、これによって、ナビゲーションツリーのブラウズ時に時間のかかる再表示を節約できます。
表示されるパッケージの量を制限するには、左側のフィルタを使用します。インストール済みパッケージには、文字iのマークが付いています。パッケージのステータスを変更するには、<Space>キーまたは<Enter>キーを押します。または、メニューを使用して、必要なステータスの変更(インストール、削除、更新、タブー、またはロック)を選択します。
ウィンドウマネージャがグローバルな<Alt>キーの組み合わせを使用していると、YaSTでの<Alt>キーの組み合わせが機能しない場合があります。<Shift>や<Alt>などのキーは、端末の設定で使用されている場合もあります。
<Alt>ショートカットは<Alt>の代わりに<Esc>キーでも実行できます。たとえば、Esc–Hは、Alt–Hの代わりとなります。(まず<Esc>を押して、次にHを押します)
<Alt>と<Shift>の組み合わせがウィンドウマネージャまたは端末に専有されている場合は、Ctrl–F(進む)とCtrl–B(戻る)を代わりに使用できます。
Fキーは、各種機能にも使用されます。一部のファンクションキーは、端末で使用済みで、YaSTで使用できない場合があります。ただし、<Alt>キーのキーの組み合わせとファンクションキーは、ピュアテキストコンソールでは常に完全に使用できます。
テキストモードのインタフェースのほか、YaSTには、シンプルなコマンドラインインタフェースがあります。YaSTコマンドラインオプションのリストを表示するには、次のように入力します。
yast -h
時間節約のため、個別のYaSTモジュールを直接起動できます。モジュールを起動するには、次のように入力します。
yast <module_name>
「yast -l」または「yast --list」と入力して、システムで使用可能になっているすべてのモジュールのリストを表示します。たとえば、「yast lan」と入力して、ネットワークモジュールを起動します。
パッケージ名が既知であり、パッケージが有効なインストールリポジトリに用意されている場合は、コマンドラインオプション-iを使用してパッケージをインストールできます。
yast -i <package_name>
または
yast --install <package_name>
package_nameには、gvimなどの1つの短いパッケージ名を指定するか(この場合、依存関係を確認してインストールされます)、RPMパッケージのフルパスを指定できます(この場合、依存関係を確認せずにインストールされます)。
YaSTから提供される機能を超える機能を持つコマンドラインベースのソフトウェア管理ユーティリティを必要とする場合は、Zypperの使用をご検討ください。このユーティリティは、YaSTパッケージマネージャの基礎でもある同じソフトウェア管理ライブラリを使用します。Zypperの基本的使用法については、7.1項 「Zypperの使用」で説明されています。
スクリプトでYaST機能を使用するため、YaSTでは、個々のモジュールにコマンドラインサポートを提供しています。ただし、すべてのモジュールにコマンドラインサポートがあるわけではありません。モジュールで利用できるオプションを表示するには、次のように入力します。
yast <module_name> help
モジュールにコマンドラインサポートがない場合、モジュールはテキストモードで起動され、次のメッセージが表示されます。
This YaST module does not support the command line interface.